2016年10月7日金曜日

フードバンクから見える、生活に困っている人

「私は食べ物を買うお金が無く、生活に困っています。でも世界にはもっと苦しい生活をしている人がいます。例えば、戦争をやっている国に住んでいる人とか…だから私はまだ幸せです。」

自分より不幸な人を探し出し、その人と比べることでやっと自分の幸せを感じる。
この手紙を読んだとき、金銭的に余裕がないだけではなく、
精神的に余裕のない状態であることが伝わってきました。

冒頭の手紙は相談窓口から依頼を受け、
当団体が食品の詰め合わせを届けたシングルマザーからの手紙です。

この女性は夫からのDVにより離婚したため、
2つの仕事をかけもちして3歳の子どもを育てていました。

しかし、働き過ぎで心のバランスを崩して鬱病になってしまい、相談窓口へ駆け込みました。
この女性の場合もですが、生活に困っている人は
健康面、経済面、人間関係など様々な問題を抱えています。

食品を届けただけでは、すべての問題を解決することはできません。
複雑に絡み合った問題を順番に解決していく必要があります。

とはいえ、まずはお腹がいっぱいになって落ち着かなければ、
解決していこうとする力が湧いてきません。

そこで、当団体では相談窓口と連携して食品支援を行っています。

食品支援が必要な場合は私達が食品の詰合せを送り、
その後の生活の安定に向けた支援を相談窓口に行っていただいています。

実際の詰合せには、お米5kgと調味料や缶詰など約12kg、
単身世帯だと2~3週間はもつ量の食品を入れています。

(食品パック中身の一例)

また、箱の中には受け取ったことを証明するため受領書を入れています。
返信していただいた受領書には、次のような御礼の言葉が添えられていることがあります。

「ダンボールを開けたら食べ物がいっぱい詰まっていて、嬉しくて涙がでました!」

こういった御礼をいただくと、私達の活動が誰かの役になっていることを実感でき、
ボランティアの方々と一緒に喜んでいます。

食べるのに困っている人が一番必要としている食べ物は、主食となるお米や麺などです。
しかし、お菓子やジュースなども少しだけ入れています。

なぜなら食べるのに困っている人の多くが、
お金がなく頼る人もいないため、気持ちに余裕がありません。

そこで、お菓子やジュースを受け取ることで、
「子どもがお菓子を食べて笑顔になり、その様子を見たお母さんも、つられて笑顔になる。」

そんな様子を想像して、
「栄養価は低いけど、お菓子って心の栄養になるよね。」
ボランティアの方々と話しながら詰合せをつくっています。

もしご家庭に余った食品がありましたら、当団体にご寄付ください。
生活に困っている誰かの、体と心を支える食品の詰合せに使わせていただきます。

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462-0845名古屋市北区柳原3-4-2小菅ビル1F
セカンドハーベスト名古屋
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(2015年9月号 ボランティア情報誌 ボラみみ 掲載記事より一部修正・転写)