2016年10月29日土曜日

セカンドハーベスト名古屋を支える会全大会を行いました

先日、「セカンドハーベスト名古屋を支える会(以下、支える会)」全大会を行いました。

(会場の様子 その1)

<支える会全大会詳細>
日時:10月21日(金)10:00~12:00
場所:北生涯学習センター
内容:①セカンドハーベスト名古屋(以下、2HN)と支える会活動実績報告
  ②日本のフードバンクの現状と課題報告
  ③支える会会長からの提案「食品寄付法(仮)の制定と社会的基金の創設について」
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セカンドハーベスト名古屋を支える会とは?
2HNから食品を受取っているボランティア団体やNPO法人、社会福祉協議会等の
各種福祉施設・団体、106団体により構成され、フードバンクを持続可能な仕組みにするため、
定期的な寄付による資金的な支援やフードバンク事業への提案等を行うネットワーク組織
(会長:のわみ相談所三輪憲功氏、事務局:2HN事務局員)。
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(会場の様子 その2)

当日は、名古屋市内を中心に愛知、岐阜、三重、静岡県にあるホームレス状態の人を支援する団体や児童養護施設、母子生活支援施設、障害者福祉施設、社会福祉協議会等、36団体から45名もの方々にお集まりいただきました。

2000年頃に日本で始まったフードバンク活動が、食品ロスに対する関心の高まり、
法律の改正により相談窓口が全国各地につくられたため食品支援に対する要望の高まり等の
社会的背景により現在では全国に約40団体が行うまでに広がっています。

しかし、多くの課題を抱えています。以下に代表的な3つの課題を記します。

・運営資金
 公益性の高さから国や県などから公的な支援を得ていると思われがちですが、全国ほとんどの
 フードバンク団体は寄付や一時的な助成金により運営しており資金的に非常に不安定です。

・食品収集
 食品ロス全体632万トン(事業系330万トン)のうち、全国のフードバンク団体が扱えているのは
 わずか0.1%未満(2013年度4,500トン)です。現状では食品ロス削減にフードバンクはほとんど
 寄与していません。一方、生活に困っている方の生活を食で支える視点においては、必要とする
 お米や麺類などの主食、栄養価のある野菜や肉類等、必要とする食品を定期的に寄付いただけ
 る仕組みはできておりません。

・食品配布
 フードバンク活動のみでは、生活に困っている人の情報を得るのは困難です。そのため、
 「食品を集めたが、困っている人がどこにいるのかわからない。」といった状況が起こる場合も
 あります(元々シェルター運営や相談事業を行っているフードバンク団体の場合や、2HNでも
 直接電話やメールなどにより、直接本人から食べ物の支援依頼を受け、直接届ける場合もあります。
 しかし、税金や水道代等の滞納、生活保護の申請窓口があるため生活に困っている方の情報
 については、自治体が把握している場合が多くあります。)


2HNでも運営資金の約8割を助成金に頼る不安定な状況であった2013年頃。
助成金の支給回数が限界を迎えたため、活動できなくなる恐れがでてきました。

そこで、パートナー団体(2HNから食品を受取っている団体)の皆さんから、

「2HNのおかげでこれまで月1回しか行えていなかった炊き出しが月4回に増やせた。」
「2HNから受け取る食品により食費を削減することができ、浮いたお金で活動が充実した。」

「だから、セカンドハーベスト名古屋を潰してはいけない。フードバンクが持続可能な仕組みになるよう応援しよう!」

といった声をあげていただき、支える会をつくっていただきました。
現在では資金的な支援のみならず、活動に対してのアドバイスもいただいています。

「フードバンクのおかげで、相談窓口を訪れた生活に困った方へ素早く食の支援が行えます。」
「フードバンクを持続可能な仕組みにするためには、食品寄付法制定が必要だ。そのためにまず署名から始めてはどうか?」

等々、今回の支える会全大会でも、出席者の皆さんから貴重な意見をいただきました。
様々な意見・要望がいただけること=期待されている
と感じることができ、いただいた意見一つ一つに丁寧に応えていきたいと思います。

事業を行う上で、「やりたいこと」「やるべきこと」「できること」これら3つのバランスが大切だと
私は考えています。

フードバンク活動は様々な課題を抱えているため、今はまだ「できること」は限られています。
しかし、支える会の会員の皆さんからの意見・要望、社会的な背景から得られる
「やるべきこと」をきちんと受け止め、

「もったいない」と「奉仕」の精神をもってフードバンク活動を通じ
東海地方における「食のセーフティネット」を構築する。

という、2HNのミッション実現に向けてこれからも活動して参ります。



(事務局:山内)

2016年10月24日月曜日

岐阜県農業フェスティバルに参加しました

こんにちは、事務局の森です。

10/22(土)・23(日)の2日間、岐阜県農業フェスティバルにセカンドハーベスト名古屋として、
ブース出展しました。

岐阜県主催の本イベントは、岐阜県の農産物・加工品などをPRするために開催され、
昨年度は18万人もの方が来場された、とても大規模なイベントです。
岐阜県庁周辺に屋内・屋外にたくさんの出店が並び、多くの方でにぎわっていました。





昨年まではセカンドハーベスト名古屋はパンフレットの設置だけでしたが、
今年からブースも出展させていただくことになりました。




来場者の方に、パネルやパンフレットを用いて私たちの活動の説明をするだけではなく、
今回は「フードバンク」について知っているかをアンケートを取ってみました。

結果は・・・
①活動内容も知っている:11名
②聞いたことはあるが、活動内容は知らない:12名
③知らない:29名


フードバンクを知らない、と回答される方が一番多かったですが、
活動内容をご存知の方、すでに食品を寄付したことがある方などもいて、
とても嬉しかったです。
小学校のお子さんがいらっしゃる家族で、お子さんのみがフードバンクをご存じの場合もありました!

まだまだ認知度が高くない活動ですので、こういったイベントなどを通じて、
私たちの活動を知っていただけるよう取り組んでいきたいと考えています。

イベントの出店予定などは、当団体のFacebookページで随時ご案内させていただきますので、
ぜひフォローをお願いします!

2016年10月7日金曜日

フードバンクから見える、生活に困っている人

「私は食べ物を買うお金が無く、生活に困っています。でも世界にはもっと苦しい生活をしている人がいます。例えば、戦争をやっている国に住んでいる人とか…だから私はまだ幸せです。」

自分より不幸な人を探し出し、その人と比べることでやっと自分の幸せを感じる。
この手紙を読んだとき、金銭的に余裕がないだけではなく、
精神的に余裕のない状態であることが伝わってきました。

冒頭の手紙は相談窓口から依頼を受け、
当団体が食品の詰め合わせを届けたシングルマザーからの手紙です。

この女性は夫からのDVにより離婚したため、
2つの仕事をかけもちして3歳の子どもを育てていました。

しかし、働き過ぎで心のバランスを崩して鬱病になってしまい、相談窓口へ駆け込みました。
この女性の場合もですが、生活に困っている人は
健康面、経済面、人間関係など様々な問題を抱えています。

食品を届けただけでは、すべての問題を解決することはできません。
複雑に絡み合った問題を順番に解決していく必要があります。

とはいえ、まずはお腹がいっぱいになって落ち着かなければ、
解決していこうとする力が湧いてきません。

そこで、当団体では相談窓口と連携して食品支援を行っています。

食品支援が必要な場合は私達が食品の詰合せを送り、
その後の生活の安定に向けた支援を相談窓口に行っていただいています。

実際の詰合せには、お米5kgと調味料や缶詰など約12kg、
単身世帯だと2~3週間はもつ量の食品を入れています。

(食品パック中身の一例)

また、箱の中には受け取ったことを証明するため受領書を入れています。
返信していただいた受領書には、次のような御礼の言葉が添えられていることがあります。

「ダンボールを開けたら食べ物がいっぱい詰まっていて、嬉しくて涙がでました!」

こういった御礼をいただくと、私達の活動が誰かの役になっていることを実感でき、
ボランティアの方々と一緒に喜んでいます。

食べるのに困っている人が一番必要としている食べ物は、主食となるお米や麺などです。
しかし、お菓子やジュースなども少しだけ入れています。

なぜなら食べるのに困っている人の多くが、
お金がなく頼る人もいないため、気持ちに余裕がありません。

そこで、お菓子やジュースを受け取ることで、
「子どもがお菓子を食べて笑顔になり、その様子を見たお母さんも、つられて笑顔になる。」

そんな様子を想像して、
「栄養価は低いけど、お菓子って心の栄養になるよね。」
ボランティアの方々と話しながら詰合せをつくっています。

もしご家庭に余った食品がありましたら、当団体にご寄付ください。
生活に困っている誰かの、体と心を支える食品の詰合せに使わせていただきます。

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462-0845名古屋市北区柳原3-4-2小菅ビル1F
セカンドハーベスト名古屋
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(2015年9月号 ボランティア情報誌 ボラみみ 掲載記事より一部修正・転写)


2016年10月2日日曜日

休日の活動(11月)のご案内

■申し込み状況
定員に達したため、申し込みを締め切りました【11月4日追記】
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こんにちは、事務局の山内です。

休日の活動(11月)を以下の日程にて行います。
是非ご参加ください。
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11月の休日活動
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■日時:11月13日(日)10:00~15:00

■場所:2HN事務所(名古屋市北区柳原3-4-2小菅ビル1F)

■定員:6名

■活動内容:食品の仕分け作業&生活に困っている人へ届ける食品の詰合せづくり

■備考:フードバンクやセカンドハーベスト名古屋の活動説明も一緒に行います。
初めてボランティア活動をする方、フードバンクについて詳しく知りたい方におすすめです。

■タイムスケジュール

10:00 現地集合
10:10 自己紹介
10:30 フードバンクの説明
11:00 午前中の作業
12:00 お昼ご飯
13:00 午後の作業
14:30 質疑応答
15:00 現地解散

午前は、生活に困っている人へ届ける食品の詰合せづくりを行う予定です。
午後は、瓶をプチプチで包んだり、一袋にレトルトカレーを3袋入れるなど、
食品を箱に詰めやすいように食品を仕分る作業の予定です。
興味・関心のある方は、是非ご参加ください。

■申し込み方法
参加いただける方は
・氏名
・職業
を添えて10月28日までにコチラからメールにてお申し込みください。
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セカンドハーベスト名古屋の活動は、主に月~金曜日の9:00~17:00です。

そのため、ボランティア活動に参加していただいているのは、
定年退職したシニアの男性や子育てが一段落した主婦の方がほとんどです。

とは言え、私たちの団体は常に開かれていて、
どんな方にも参加してほしいと考えています。

そこで、平日は仕事や学校があるため参加できない方々にも
是非セカンドハーベスト名古屋の活動に関わってほしいと考え、
月に1回「休日の活動」を行っています。

この「休日の活動」は、主に平日の活動に参加することができない方を対象に、
実際のフードバンク活動を体験していただき、
2HNを応援してくださる方を増やすことを目的にしています。

しかしならが、現在、2HNの活動のメインが平日であるものの、
平日の活動に参加いただくボランティアを募集していないことから、

「休日の活動」をフードバンク・2HNについて、まず知っていただく機会としています。

11月の活動内容は、生活に困っている方に届ける食品の詰合せづくりです。

私たちセカンドハーベスト名古屋が行う「行政と連携した個人支援活動」では
市役所や社会福祉協議会から依頼を受け
お米5kgと缶詰や調味料を入れた食品の詰め合わせを届ける活動を行っております。

その際生活に困っている方の状況(電気・ガス・水道・炊飯器の有無や国籍など)に
合わせ食品を詰合せています。

(倉庫内での作業の様子)

これまで参加された方からは・・・

「どんな活動をやっているかは知っていましたが、実際に体験してみると全然違いますね!」

「イメージしていた通りですが、実際に活動してみるとこの活動には人手がかるのはもちろん、お金も色々かかってきますね・・・。」

などのご意見をいただいています。

ほとんどがお一人で参加されていることから、一人でも参加しやすい雰囲気を心がけています。
興味・関心のある方は是非!ご参加ください。