2017年1月4日水曜日

モノを大切にするとは?

こんにちは、事務局の山内です。

今日はフードバンク活動を通じて体験した、心に残った出来事をご紹介します。

先日、ある個人の方から「亡くなった母親が購入していた食品を寄付したい」と申し出を頂きました。
ここでは、その方を仮にAさんとします。

セカンドハーベスト名古屋(2HN)では、
企業・個人の方から食品を寄付いただく際
寄付者に送料をご負担いただき送っていただくか、
直接事務所兼倉庫へ持ち込んでいただいています。

そこで、その旨を伝えると土曜日に持ち込みたいと返事がありました。
しかし、土曜日は2HN事務所が開いていません。

そのため、他の方法を探るため数回メールのやり取りをすると、
以下の状況がわかりました。

・Aさんの母親は1ヵ月前に亡くなった。
・Aさんは普段東京に住んでいるが、遺品整理のため月1回程名古屋の母親の家に来る。
・整理するなかで母親が買いためていた食品(ダンボール3箱分)が出てきた。
・最初はレンタカーを借りて2HNの事務所へ持って行こうとしていた。
(個人情報保護のため詳細な状況はかえてあります。)

メールのやり取りから伝わってきたのは、
Aさんが「何としてもフードバンクへ食品を寄付したいと考えている」ことでした。

しかし、その時はなぜそこまでしてフードバンクへ寄付したいのかわかりませんでした。


その後、熱い想いにこたえ土曜日に私が車で引き取りに行くことになりました。
数日後の土曜日。Aさんの家に着き、食品を車に積み込み終わってから、
こんな話をしました。
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私「今日は食品を寄付いただき、ありがとうございました。

Aさん「・・・いえ、こちらこそ、わざわざ引き取りに来ていただき、ありがとうございます。

私「ちなみに、どうしてフードバンクに寄付しようと思われたのですか?
(この人は、なぜ何としてもフードバンクへ寄付しようとしていたのだろうか...?)

Aさん「ええ、もったいないと言いますか、母が買ったものを捨てるのはしのびなく…
かと言って私が食べるのは母を思い出してしまい、つらくて…


それなら誰か喜んでもらえる人に食べてもらえれば、亡くなった母も喜ぶと思いまして。
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その言葉を聞いて、私はやっと理解できました。
そうか、この人は母親の持ち物を大切にしたかったのだ。

Aさんにとって、母親が買った食べ物をそのまま捨ててしまうのは、粗末に扱うことになる。
だからこそ、Aさんは食べ物がもつ本来の役割、「お腹をみたす」
この役割を母が買った食品達に果たしきってもらうため、フードバンクへ寄付したかったのだと。

つまり、「モノを大切にするとは、モノがもつ本来の役割を果たしきること」なのだと感じました。

普段の活動で「まさかこの食品はこんな些細な理由で捨てられるとは!?」
という驚くような場面に遭遇します。

しかし、情けないことに、しばらくすると慣れてしまっていました。
そんな中で「もったいない」という言葉の意味を深く実感させてもらえた貴重な出来事でした。


最後に、2HNでは企業・個人から食品の寄付を受け付けています。

もし皆さんのまわりで、本来の役割を果たしきれそうにない食べ物がありましたら、
以下へお送りいただくか、直接事務所へお持ち込みください。
その際は事前にコチラからご連絡ください。
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462-0845名古屋市北区柳原3-4-2小菅ビル1F
セカンドハーベスト名古屋
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寄付いただいた食品は、自治体や社会福祉協議会の相談と連携して、
生活に困っている方へお届けします。
皆様のご支援よろしくお願い致します。